行過ぎた日々を思い出すのは夢の中
過去に捨てたはずの気持ちを映し出す

「泣いているのか」
「・・・泣いて、ないわ」
「そうか」

明朗と響くその声は
冴え冴えと冬の空に響きわたり

白く眩しい世界に溶けていく

「寒いな」
「そうね」
「・・・帰ろう、・・・家に、帰ろう」

吸い込む空気は冷たく
吐き出す空気は暖かく
手の感覚はなくなって行き
耳には深々と音なき音が

「クロロ」
「ん」


溶けてゆく


「・・・私、嘘、ついたわ」
「知ってる」

溶けてゆく


「・・・ありがとう、迎えに来てくれて」
「どういたしまして」


 



溶けてゆきたい






彩ル日常/3の題より「雪の舞う白い日」
提供:
コ・コ・コさま