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そういった彼の顔は笑っていて。
私は何も言えずに、彼の笑顔を見ていた。 彼とは、そう、中学校からの付き合いだったから、もう10年はたつのだろうか。 彼が笑えば私は笑ったし、私が笑えば彼は笑った。 「」 彼は慈しむに笑いながら、私の名を呼ぶ。 「」 やめてよ、そんな声で私を呼ばないで。 「泣かないで」 彼の、いつの間にか私よりも大きくなってしまった手が、私の頬に触れる。 「」 触れる手のぬくもりが心地よくて、瞳を閉じた。
明日には、この手は冷たくなるのだろう。 「追いかけたりしないから」 明日には、彼の笑顔は失われるのだろう。 「もう泣かない」 明日には、私と彼の関係は終るのだろう。 「・・・綱吉」 明日には、明日には、明日には、明日には・・・――――。
「愛している」
雲ひとつないような、抜けるほど晴天の今日は、悲しいくらいにお別れ日和で。 あなたとの恋は、ありふれた人生を紅く色付ける様な、たおやかな恋でした。
――――・・・さよなら、愛しいあなた。
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