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朝起きると、なんだか見たことあるような、みたなくなかったような紋章入りの(そして蝋印で封のしてある)封筒が2つ切手なし消印なしで入っていた。 「・・・目、痛いなぁ」 先ほどから妙に目がうずくのはきっと、この中に[ユミルの心臓]を核として作られた、あの指輪が入っているから。 「何してるの」 その声にはっとして振り返った。 「おはよう恭弥」 聊かいぶかしげに「ふーん?」とそれを手に取った恭弥はためらいなくその封を破り、おもむろにその封筒をひっくり返してコロン、と手に転がった指輪をしげしげと見つめた。 「いつかはこんな日が、くると思ってた」 口の中でつぶやいた言葉に恭弥は「何かいった?」ときいてきたけれど、私は笑って、なんでもないと首を横に振った。
ユミルの身体の各所から何人もの巨人が産み出され、世界は"巨人と神々の世界"になった。 あるとき、最初に生まれた神ブーリの息子ボルが、ユミルの一族である霜の巨人ボルソルンの娘ベストラと結婚し、オーディン、ヴィリ、ヴェーの三神が生まれた。 三神はユミルを解体し、血から海や川を、身体から大地を、骨から山を、歯と骨から岩石を、髪の毛から草花を、睫毛から人間の住まう場所"ミズガルズ"を囲う防壁を、脳髄から雲を造り、ユミルの頭蓋を持ち上げる4人の小人、ノルズリ(北)、スズリ(南)アウストリ(東)とヴェストリ(西)を置いて天を構築した。 そして血がすべてなくなり小さく硬くなった心臓は少しずつ砕けながら、赤い塊となって大地の中に埋もれた。
「よく・・・そこまで調べたな」 ふぅ、とため息混じりにつぶやかれた言葉に私は苦笑して「調べたのは父です」と口にした。 「私と骸の瞳に埋め込まれた[ユミルの心臓]は、本当に偶然見つかったらしくて・・・鉱山は別の場所でしたが、もしかしたら鉱脈がつながっていたのかも、と父は言っていましたが・・・」 つぶやいた彼・・・ボンゴレファミリー門外顧問・沢田家光(どうやら沢田綱吉の父親らしい。彼から聞くに、沢田綱吉はボンゴレの時期ボス候補に挙がっているらしく、今回の騒動はそれが発端だそうだ。まったく、迷惑極まりない)は恭弥とキャバッローネファミリーの跳ね馬の戦闘訓練(なのか、あれは。ただ暴れてるだけじゃないのかと叫びたい)を横目でちらちらと見ながらも相槌を打った。 「あの二人なら、私が見てますし」 というか、危なくなったらとめる。 「アルバ=アル」 有無を言わさぬ私の否定に門外顧問は「そうだった・・・すまない」と苦笑してから、真顔になった。 「リボーンから君の事を聞いたとき、正直戸惑ってしまったんだ。まさか、本当に"ネーヴェ・ウッシェンテ"が現れたのかって」 そしてもうすでに、その呼び名を呼ぶものはいない。 「君が何であれ、その雪のリングは君が受け取ってくれ。それは初代から2代目に代替わりしてからずっと"雪の守護者"が現れるまで封印されていて、結局一度も封印がとかれることなく、ついにはハーフにならなかったという年代ものだ。・・・ずっと、君を待っていた代物なんだよ」 何事も吹っ飛ばすような明るい笑顔に私は苦笑して、ひとつうなづいて「でも」とひとつ訂正を入れる。 「私がこっちにつくのは恭弥がいるからですよ。勘違いはしないでくださいね」 ニッと笑った私に返されたのは、またしても明るい笑顔で。
「今日は戦う前に指輪の話をしてえ。騙してるみてーでスッキリしねぇからな」 跳ね馬の言葉に恭弥ニヤリと口元をゆがめて「あなたをグチャグチャにすること以外」と口にする。 「真剣にやってくれないと、この指輪捨てるよ?」 なんていってる時点でこの指輪が何かのキーパーソンで、ものすごく重大な何かであると彼は気づいてる。 ―――・・・恭弥はきっと、私が"この指輪を捨てられない"ことに気づいてる。 だから、きっとあの指輪を彼は"捨てられない"。 なぜなら、彼と私は「ずっと、何があっても、傍にいる」と約束してしまったから。 ―――・・・強くなって、恭弥 誰にも負けないぐらいに。 私は静かに息を吐いて、瞼を下ろした。 |
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ものすごい捏造入れました。ご容赦ください・・・。
ユミルの心臓のくだりは北欧神話の"死体創世説"をモチーフにしています。
ていうか、心臓以外はそのまんまなんですけど。
このくだりは単行本24巻の標的218"到着"内で語られているトゥリニセッテの設定を読んだときにまるで掲示のごとく頭に浮かんだ捏造だったりします。
(作者は思いっきり単行本派です。本誌は読んでないので、矛盾してるかもです。ごめんなさい)