いつもの外回り中、遠くで響く爆発音に駆けつけてみれば、繁華街が大変なことになっていた。
しかもよくよく見ればその中心にいる人物は、リボーンとあの死体が出た家にいた少年少女――沢田綱吉とその仲間たちじゃないか。
ということは、少なくともマフィア関係ということになる。

「・・・ちょっと、やめてよねー・・・」

破壊した後の町の復旧、ダレがするとおもってんの?
風紀だよ、風紀。
しかも書類とか面倒なんだよ製作も、整理も。
請求額の計算だって面倒くさいのに、なのになのになのに!!!

「後悔してもおせぇぞぉ」
「行くぜっ」

銀髪のロンゲヤローがニヤニヤと笑って、一人の少年に突っ込んでいく。
ギィンと響く甲高い金属音が、衝撃の重さを物語っていた。

「貴様の太刀筋、剣技を習得してないな」
「だったら何だよ」
「軽いぞぉ!!!」

てか両者とも銃刀法違反でつかまってるぞ、ここが並盛じゃなかったらのはなしだけど。

「【聖斧―ミョルニール―】」

出現させた巨大な斧をぎゅっと握りこんでから、めいっぱい横に凪いだ。
瞬間ゴォオオオッとものすごい勢い音とともに衝撃波が銀髪のロンゲヤローと対峙する少年にぶち当たる。

「グアッ!!」
「うぐっ」
「あーらら、ごめんね少年」

少年は吹っ飛び地面に倒れ込んだ。
大丈夫、リボーンがいるから(たぶん少年のほうの味方なんだろうし)処置はしてくれるだろう。
問題はこの、銀髪ロンゲヤローだ。
私は辛うじて片膝をついた程度で済んでいる相手に巨大な斧の切っ先をむけて、見下ろした。

「町に対する破壊活動および公共物破損で、あなたを"噛み殺す"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最初、腕にしている腕章を見たときヒバリさんかとおもった。
神出鬼没なあの人のこと、またどこからか戦闘の匂いを嗅ぎ取ってきたのかなーなんて。
でもそれはまちがいで、大きめの黒いキャスケットと身の丈と同じぐらいの巨大な斧を持ったその人は、凛とした声をあの銀色の長い髪の絶対ヤバイやつに向けた。・・・って、噛み殺すっておもいっきりヒバリさんからパクってるし!!いいの!?それ大丈夫!?

「十代目!」

獄寺君の声にハッとわれに返った俺は声のほうを振り向いた。
いまだに土煙で視界はよくないが、獄寺君のほかに、もう一人・・・いや、獄寺君が、背負ってる!?

「獄寺君・・・っや、山本っ!!」
「ハハッ・・・なんかわかんねーけど、吹っ飛ばされちまった」

獄寺君に背負われた山本は苦笑ではあるけど、いつものように笑った。
よかった・・・ってよくないよ!!風紀の人大丈夫なの!?
そう思って振り返り、目を丸くした。
さっきと、立ち位置がまったく変わってない!?

「さすがだな。お互い相手の隙がなさ過ぎて動けねーんだ」

その聞きなれた声にバッと顔を上げると、自動販売機の上になんかもしゃもしゃした緑色の頭で、洋服は鉢植えな最強ヒットマンがいた。いやいやいやいやいや、なんだよその格好!!つーか、わざわざ着替えたの!?余裕だなお前!!

「っリボーン!!おまえこの大変なときに今までどこにいたんだよ〜っ!?」
「オレにも色々事情があるんだ」

事情って、事情ってなんだよ!!着替えか!?と、叫ぼうとした俺の頭に、ポフンと軽い感触。
これは・・・って!!

「手相を見せるときも、真夏のうだるような暑さのときでも、その手袋はつけとけ」

ニッと笑ったリボーンに、オレは「そんなのむりっ!!」という言葉をぐっと飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


斧の切っ先を向けた相手に、まったく隙が見つけられない。
相当の手慣れなんだろうな、と気を引き締めたが、彼のコートの二の腕あたりにあるマークに見覚えのあることに気がついた。
どこでみたんだったかなぁと記憶をたどってみる・・・が、相当昔に見たものらしくて思い出せない。
まあリボーンが絡んでるんだからマフィア関係には違いないのだけど。

「・・・っテメェいったい」
「復・・・活!!」
「!」

瞬間叫びながら割り込んできたパンツ一丁の少年(おそらく沢田綱吉だ。はしたない)を期に私は距離をとって、少し離れた場所で観戦モードに入っているリボーンに近づいた。

「どういうつもり、彼に特殊弾を打ってまで邪魔するなんて」

公務執行妨害で"噛み殺す"よ、と見つめれば彼は少しだけ息を吐きながら「悪ぃな、」と殊勝な言葉を吐く。

「これはボンゴレ内部の問題だ。身内の揉め事は身内で解決する」
「・・・そう」

私は軽く息をはいてからニッと笑った。

「請求書、被害届、弁償等等、書類その他はそっちでやってね。風紀はこのことに関して一切手出ししないわ」
「・・・」

これくらい当然、でしょう?
リボーンの軽い舌打ちを背中に、私はその場を後にした。